四月は君の嘘 人とのふれあいと想いの底力
四月は君の嘘、アニメ化をきっかけに読んでみたら今まで読んでこなかったことを本当に後悔しました。
あらすじは、主人公は母の死をきっかけにピアノが弾けなくなった元天才児。
その主人公が明るいヒロインのバイオリニストに出会い、惹かれ、成長していく話ですが、人が及ぼす影響と想いをすごく丁寧にきれいに描いていて面白い。
ヒロイン、かをりちゃんは主人公に伴奏をお願いしたり、ムリヤリコンクールに参加させるなど、とにかく主人公にトラウマであるピアノに向き合わせようとします。
これだけだと乱暴なだけですが、主人公がトラウマに向き合おうとする姿や、トラウマがどれくらい強いか、気づくと謝り泣いてしまいます。
感受性がとても強く、人一倍人との触れ合いを大事にしているとてもいい子であり、この作品の人が与える影響の魅力の象徴でもあると言えます。
音楽に感受性は大事だといいますが、この漫画に出てくる他の演奏家も皆感受性が強いです。でも、それは当然なんです。なぜなら人とのふれあいの中での影響をとても大事にしている漫画だからです。
この回はこの漫画で一番好きなシーンなんですが、初めて感動した演奏をくれた主人公に対しての同じコンクールの参加者の井川絵見ちゃんの思いが爆発する話です。
何がすごいって、演奏中はすごい思いがあふれてるのに、この演奏の後、
胸倉を掴むほどの勢いで何かを言おうとし、やめる。
演奏ですべてを託したと自覚しているからです。
何年間もの思いを演奏に込める、戻ってこいと、主人公の初めての演奏に影響され、彼女はここまできて、さらにその彼女の演奏に影響され主人公は思いを込める凄さを改めて自覚する。そして彼は演奏で一度くじけかけてもかをりちゃんへの思いを込め、演奏をやりとげます。
人への想いがどれぐらい魅力的でありエネルギーがあるか、演奏にのせて表現することで教えてくれるこの漫画の魅力の象徴だと思います。
人はふれあえば知らない間に影響を与えるものですが、その影響が自分にとってどれだけ大事か、人への想いを伝えることがどれだけ美しいかを何話にもわたる演奏シーンで各キャラの思いに乗せて表される。だから曲を全く知らなくても演奏してるキャラの感情からどんな音かなんとなく伝わるんですよね。
不思議なことに音楽って、音階や曲調を伝えるより、悲しい雰囲気とか明るい雰囲気って言うほうが伝わり安い気がします。
そして、今までかをりちゃんや友達などに影響された主人公の成長と思いを伝える音楽の魅力の集大成が最新刊9巻にありました。
ヒロインにコンクールでの演奏で君は心に何を持ってたの?何を支えにしたの?と きかれ主人公は「君がいたんだ」と素直に告白。
キャーっと読んでる方もどきどきするぐらい素敵な告白ですが、かをりちゃんは「ぼくがいつもそばにいて助けてあげられるとは限らないんだよ」とつぶやきます。
一気に死亡フラグ 来たなと、ビビル矢先
ヒロインのかをりちゃんは、病名は判明してませんが実は重い病気を抱えてて、今までそれを隠し通してましたが長い入院からついに復帰できなくなる。
かをりちゃんの強さは、その病気からの反動によるものでしたが、ついに主人公に対して弱みを見せてしまう。
このシーンは「いちご同盟」の不治の病を抱えたヒロインが主人公に問いかけたセリフを、主人公がそれを読んでるのを知って上でかをりちゃんが言ったというシーンです。
元気なヒロインが急に真面目になったり、シリアスな表情を見せるシーンは魅力的ではありますが、このシーンではかをりちゃんの小ささや包帯の弱弱しさが浮き彫りになっていてあまりにも寂しいです。
これに対して、主人公はかをりちゃんが重病であることを理解し、とまどいます。
しかし彼は受け止め、乗り越えます。
かっこいいよ、助けるでもはげますでもなくぶん殴るってのが好きです。
このセリフは想いをのせた音楽の強さと、想いを伝える大切さを知った主人公の成長の集大成だと思ってます。
この結果どうなったかは、ほんとにいい話なので、ぜひ読んで確かめてもらいたいです。
いや、だって多分もうすぐ終わりそうだしクライマックスの盛り上がりを先に知っちゃったら勿体ないと思って、、、、
この漫画は音楽は中心ではありますが、人の想いやふれあいがどれだけ影響を及ぼし人を強くするか描いた作品だと自分は思いました。
音楽は本当に言葉を超えるんだなと勉強になりました。
話は変わって
アニメ化の最初のPV、まさかの主人公やストーリーに触れずかをりちゃんが可愛いだけのPV。
でも、彼女の魅力的な姿を急にみる戸惑いや興味は主人公が初めて抱く感情とちかい気がしてすごい好きです。
つーか、最後のニャーン可愛すぎですよ、そりゃ原作大人買いしちゃいますよ。